本を読むならこれ!〜『坂の上の雲』〜
おはようございます。
mudiと申します。
読書は好きなのですが、まだまだ紹介するには引き出しが少ないです。
司馬遼太郎先生の『坂の上の雲』シリーズ、今年の夏に読み通しました。
自分は歴史なんて特に知識があるわけではないです。あると言ったら選択科目の日本史を受験の為に勉強していた程度。
舞台は、帝国主義が世界を席巻する時代に直面した日本と日露戦争。
先述したように自分の知識なんてにわかにも及ばない程度。聞いたことのある名前が出ると「あ〜、聞いたことあるなぁ」ぐらい。
それでもこの『坂の上の雲』シリーズはがっつり読めました。
このシリーズで毎回驚かされたのは司馬遼太郎先生の緻密過ぎる研究資料の数。
「◯◯師団が〜〜、△△騎兵隊が□□mm軽機関銃を3丁所持して〜」
何が何だかよく分かりません。しかし、「よく分かんないけどめっちゃいっぱいいるなぁ」「うわ!ロシアの軍隊多過ぎじゃん!」「強そ〜」
と、こんな感じで読み進めていました。
歴史小説、しかも扱っている題材は戦争。自分の読み方は実際どうなの?って思う方もいるかもしれません。
しかし、自分のような読み方もまた一つの本の楽しみ方だと思います。
この本を通して、明治時代を生きた人々の姿勢、考え方、思い。
読み進めていくうちに背筋が伸びるようでした。
小説は全部で8巻構成。多いなって思う方は、NHKでもドラマ化されているんです。
自分はこのドラマも見ました。音楽がとてもいい!何よりカッコよさというのが俳優さんから伝わってきます。
”まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている。小さな、といえば、明治初年の日本ほど小さな国はなかったであろう。
産業といえば農業しかなく、人材といえば三百年の読書階級であった旧士族しかなかった。
明治維新によって、日本人ははじめて近代的な「国家」というものをもった。
だれもが「国民」になった。不馴れながら「国民」になった日本人たちは、日本史上の最初の体験者としてその新鮮さに昂揚した。この痛々しいばかりの昂揚がわからなければ、この段階の歴史はわからない。
社会のどういう階層のどういう家の子でも、ある一定の資格を取る為に必要な記憶力と根気さえあれば、博士にも官吏にも軍人にも教師にもなりえた。この時代のあかるさは、こういう楽天主義から来ている。
四国は伊予の松山に三人の男がいた。
このふるい城下町にうまれた秋山真之は、日露戦争が起こるにあたって勝利は不可能に近いといわれたバルチック艦隊をほろぼすにいたる作戦をたて、それを実施した。
その兄の秋山好古は、日本の騎兵を育成し、史上最強の騎兵といわれるコサック師団をやぶるという奇蹟を遂げた。
もう一人は、俳人になった。俳句、短歌といった日本のふるい短詩型に新風を入れてその中興の祖になった正岡子規である。
彼らは、明治という時代人の体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶の白い雲がかがやいているとすれば、それのみを見つめて坂をのぼってゆくであろう。”
これは、ドラマのオープニングフレーズです。かっこいい...
特に最後のフレーズ、これがこの本のタイトル『坂の上の雲』に繋がっていきます。
この部分を小説で読む頃には自分と同じような感動が得られると思います。
小説の紹介をしていたのにドラマの紹介もしている。
読んでくださった皆様、有難うございます。
また書きます。